駄作と名高い、実写版のデビルマンを観た感想

どうも、mortalです。
今回は怖いもの見たさで、 今さらながら2004年に公開された
邦画史上最低の出来と有名なデビルマンを観ました。

※ネタバレで書いてます。
いないとは思いますが、まだ観てなくて気になるという方はご注意下さい。

全体的な感想

もはやウィキペディアやらネイバーまとめやら
個人の感想やらが散々ネットに上がっているので
今さら僕1人が蒸し返しても無駄かも知れませんが、
悪評通りにツッコミ所が満載だったので書かずにはいられません。
実写版のデビルマンはコメディだった…?

■主演2人の棒読みが酷い

そういや昔そんなグループもあったよねという、
LEADの2人が主人公の明と親友の了を演じる。
が、主役は文化祭レベルですら演技経験が一切なし。
全編通して棒読み感が拭えず、真夏の夜の淫夢 2章のようでした。

■撮影場所が限定的すぎる

主なロケ地は学校、牧村家、ショッピングモール(少しラクーアっぽい)
ラストの教会ぐらい。
あとは海とか林とか、ゴミ処理場みたいなのがちょろっと出てくる程度。

必ずしもいろんな場所で撮影をすれば良い映画になるってわけでもないけど、
場面転換しても似たような場所しか映らず、手抜き感が半端ないです。

■話が唐突過ぎる&台詞で説明しすぎ

「ああ、俺、デーモンになっちゃったよ」とか
ニュースキャスター(なぜかボブサップ)が言う
「戦争が始まりました」「日本、反撃です」 など。
原作を読んでないと、いきなり過ぎて何やってるのか意味不明です。

■無意味な有名人のちょい役の参加

物語の本編には全く必要のない
ボブサップ、KONISHIKI、小林幸子など。
製作費10億に対して収益5億とのことなので、
この人たちにいくら払ったのかはわかりませんが
この辺は無駄金になったものと思います。

ここから章ごとのツッコミ箇所

ストーリーは説明が面倒なので、原作漫画を読んでもらえると嬉しいです。
映画だと原作の荒々しさや勢いや緊張感がまるで無いので、
こんなに内容の濃い物なんだと分かってもらえるはず。

■デビルマンになるまでの導入

原作でも当然の如く車を運転してたけど、
高校生なのにオープンカーを運転して帰る了と助手席に乗る明。
他の生徒は普通に徒歩で帰るのに…

不良と喧嘩をしてやられた後ですぐに
「俺弱すぎ、強くなりてー」→体育館の外でベンチプレスを始める。
怪我の治療をしてから家でやれよ…

初のデビル化。
特にウルトラマンみたいな戦いに時間制限ありの設定はないはずですが、
何故か半裸に黒の皮パンの半妖みたいな状態で戦う場面が多かった印象です。
デビルマン状態はCGに金が掛かって、作るのが面倒くさかったんでしょうか。

あと全体的に右腕で腕時計を見るようなポーズで
「滅びろ、○○」ってセリフ→右ストレートのワンパンOKが多すぎでした。

最初の敵を倒すと、気付くと了が意味のない唐突な天使化。
明の「了、綺麗だな」「ああ、俺、デーモンになっちゃったよ」
という説明的かつノンキなセリフが間抜けです。

バースデープレゼントにバイクを買ってもらうけど、
装飾の仕方がバラエティー番組みたいで変。
別にカードとリボン付けない方がリアルじゃないですかね?

■シレーヌ戦

頭から翼が生えたバトルモードに入った時は多少マシになりましたが、
シレーヌのコスプレ感が凄いです。
空中戦はモロにCG。

都内上空らしき場所で戦っていたのに、何で元いた館に戻ってくるんだよ。
ラピュタのパズーの家で飼われている鳩みたいな動きをしやがって。

明がシレーヌにやられそうな時、了が助けに来る。
→明が気づくと外で寝てて、シレーヌがどうなったか不明…

そしてさっきまでアキラは半裸で倒れてたのに、起きたら上着を着ている謎。

■ジンメン戦(※わずか5分で終了)

ここからニュースキャスターのボブサップが定期的に出てくる。

どこからか、友達のウシ君が助けを求める声が聞こえる→わかる
海を探して潜る→ん?
デビル化して飛行、林に着いたら友達を食った敵がいた→はぁ?

ウシ君「俺、こいつに食われて死んじゃったよ」という説明セリフ。
そしてあっさり甲羅をワンパンでOK。

原作漫画でのジンメンに食われた被害者の恐怖、
死んだ人たちをまた殺さなければいけないデビルマンの苦悩や葛藤などが
一切割愛されてます。

尺的にも「よくわからんけど敵を倒し、結果的に友達が1人死んだ」
ぐらいしか伝わって来ない…

なぜかテスト中にも関わらず、先生が被害者の遺影を飾ります。

■人類デーモン化

校内放送「1歩も外に出ないで下さい!」
が、アナウンスをガン無視して我先にと逃げ惑う生徒たち。

みんながパニックになってると言えばリアルな気もしますが、
先生の指示が完全に無視されてると思うと笑えますw

事件現場のカメラマンが、
銃を持ったデーモンにここまで近づいて撃ち殺される。
突撃兵でもないのに、さすがにここまでは近づかないだろw

ここからデーモンと疑わしきやつは探して殺す、デーモン特捜隊が出てくる。
鳥肌実が全力疾走して田んぼラグビーみたいな絵面になる。

近所の住民としてちょい役で出てくる小林幸子。
ストーリー上、出てこなくても全く問題はありません。

神父のちょい役で出てくる作者の永井豪先生。
原作者がアニメの一般人役で一言だけ喋るとかは割とある印象ですが、
まさかこの時はこんな残念な映画になるとは思うまい…

デーモン特捜隊に発見&突入される館。
入口でハウスオブザデッドの如く、撃たれるために出てくるようなデーモン達。
裏口から逃げるか、応戦しろよ…

明らかに数で有利なのに、了1人を相手に無双されるデーモン特捜隊。

何故か実銃を持っている了に対し、
モブデーモンが「助けてくれ、サタン」ってしれっとネタバレをかます。

KONISHIKIが出てきて「デーモン万歳」と言った後にすぐ射殺される。
あなた、一体何のために出てきたの?

デーモンとは無関係なところで、
治安が悪くなりデブ3人がカップル2人を襲撃する図。
1枚絵でみると90年代のダウンタウンのコントみたいですね。

弁当を忘れた父親に持って行ったものが、どう見ても3段のおせち料理。
中身も映ってたけど、別に普通のやつでいいでしょう…

手が悪魔化していることがお父さんにバレてしまい、
いきなり空を仰いで「ああーっ!」と叫びだす。
このリアクションは一体何なんだ。

家族がデーモン特捜隊のため危険に晒されるので、
自分の正体を晒して連行されるの図。
この姿がだんだん遠く離れていく様子、シュール過ぎて笑いましたw

牧村家の一家抹殺を目論む、暴徒と化した近所の人々。
この辺だけやたらとリアリティがありましたね。

両親は大人数に囲まれて殺されましたが、
ミキちゃんは何故かタクシードライバー的な人と1対1の戦いをしています。
ホラー映画でやってはいけない原則、2階に逃げるという死亡フラグ。

話は別の人に移り、
体の一部がデーモンになってしまったため
特捜隊に追い詰められてビルから飛び降りたミーコは
突如覚醒して空を飛んだ挙句にキルビルと化します。

銃を持っていて明らかに撃てば当たる距離なのに、
なぜか日本刀しか持っていない相手に駆け寄っていくデーモン特捜隊。
やられるために近寄っている、としか思えません。

デーモン化するボブサップ。

「私は魔女!」→刃物で背中を切られて10秒後「私は魔女じゃない…」
と、いきなり矛盾するミキちゃん。
そして原作通り見事に生首となりました。

デビルマンでもトップクラスの衝撃的なトラウマシーンなのに、
ここでも明の大根役者ぶりが目立ち「あー!あー!」としか言わない。

演技に関しては素人な僕ですが、
涙を流しながら跪いて慟哭するとかすれば
もっと良かったんではないかと思います。

例えばこういうシーンは、藤原竜也のように
ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛
ってやるのが正解の1つでは。

ミキちゃんの首を教会まで持って行くシーン 。

人の頭は約5kgでボーリング玉と同じくらいの重さだと
漫画のバトルロワイアルで桐山君が言ってましたが、
とてもそうは見えない、マネキン運んでるのがバレバレ。

■最終決戦

さっきまでは日本の教会のにいたのに、
急に一体どこで戦っているのか?感が満載。

唐突な隕石衝突のような描写 で、地球滅亡ルートへ。

原作にもこういう描写はあったんですが、
コメディかっていうぐらい出来が酷い映画なだけに
ニコニコ動画でよくある地球滅亡オチや
ニコニコ本社爆発オチに近いものを感じてしまいます。

ラストバトルはこれまでを踏まえると、そこそこ良かったと思います。

戦闘前の了「お前を殺す」
戦闘後の了「死ぬなよ、生き残れよ」
どっちやねん…

漫画のラストシーンですが、月はなぜか割れています。

荒廃した地球で生き残った、ミーコとススムくんの2人。

まとめ これはひどい

これを2,000円近く払って、劇場まで観に行った人が沢山いるという事実。

僕はツタヤのカードの更新料と108円だけで済みましたが、
ネタと割り切ってツッコミを入れながら楽しむ分にはいいかも。
原作漫画の雰囲気が大好きな人は、激おこ案件なのでお勧めできません。

アンサイクロペディアに書いてあったのでネタかと思ったんですが、
あまりに不評で死ね死ね言われていたためか
Wikipedia情報だとこの映画の監督は公開翌年の2005年に亡くなったそうです。
駄作を見せられた観客の呪いか何か?

紹介のために一応リンクを貼っておきますが、
間違っても円盤など買うなよ!とだけは強く言っておきます。