どうも、mortalです。
今回は言わずと知れた東京大学の合格を目指して勉強する漫画、
ドラゴン桜2を読んだ感想です。
学生視点からは勉強方法や解法のテクニックを学べますが、
大人視点では「このままでは学校の志望者数が少なくてクビになる…
せや!再び実績のある進学校化して東大入学者を増やしたろ!」
という経営者や先生の目線でも読めますね。
良かったところ
◎ 絵柄が変わってすっきりした
2は一言で言うと、全体的に絵も話もあっさりしていました。
三田紀房先生の絵は正直下手な部類だと思ってましたが、
作画を外注したらしく見やすくなりました。
初代のように手足が異様に長かったり短かったりする、作画崩壊がないのがちょっと寂しい。
僕は完全にネタとして見てますね。
◎ 1話に情報を詰め込みすぎず、スラスラ読める
初代は日本の教育の現状などについて色々語っていて
小難しい話が多少ある印象でした。
僕が大人になったからなのか、
それとも1度読んだ漫画の続編だからか分かりませんが、
その辺はしっかり読み込まなくても何となく察せるようになりました。
◎ 技術の進歩に伴い、上手にスマホを活用している
スタディサプリを使うとか、みんチャレでサボり防止とか、
英語は帰国子女設定でツイッターを投稿したりYouTubeをやり始めるとか。
LINEで早い者勝ちの因数分解バトルをするところは、
ハンターハンターを思い出しました。
◎ 教える先生がほぼ一新される
漫画的に同じ絵面の先生が同じことを教えても、退屈ですからね。
英語のリスニング対策にもろ渡辺直美じゃん!って先生が出てきたり。
三田先生は割と登場人物に
名前を少し変えただけの有名人を使いたがりますよね。
そして理科のアインシュタイン先生の霊圧が消えた…
というか、理科の先生自体がそもそも出てこないんですが。
どこ行ったの?
◎ 女主人公の早瀬が憧れてる、小杉さんが強すぎる
初代に出てきた東大合格がほぼ確定枠の大沢君は
子供の頃から自分が好きになったものは
車の構造やら生物やら地理やらを好き勝手に調べていった結果
どんな教科でも大体成績が良かったですが、
それと似たナチュラルボーン天才キャラが小杉さんでした。
世界史の教科書を7回通して読んでボロボロになってるとか、
東大の過去問25年分をすでに1回全部やってやるとか。
そりゃあ当然のように合格しますわ。
模試の休憩時間で、箱買いしたドーナツを食ってるシーンが好きです。
つよい(確信)
悪かったところ
✕ 内容は代わり映えせず、焼き直しの部分も結構ある
教える生徒の学力が中学校レベルの問題すら危ういヤツから
偏差値50ぐらいに変わった程度で、
お世辞にも成績の良くない生徒が東大を目指すという
話の根底はそんなに変わりません。
生徒同士で問題を出し合って
不正解の場合はバカと書かれたハチマキをするとか、
数学は小中学生レベルの簡単な計算からだんだん難しくしていくとか、
ああまたこれかって言う。
✕ 桜木先生が常に偉そう&井野先生が否定するだけでムカつく
初代を読み返したら、桜木先生の最終学歴は
高校すら出ていない中卒DQNだったと判明。
これは2から作風が変わったというわけではなく、初代から変わらずですが。
学生のうちだったら大人に教えてもらうという体で、
純粋にああ、これってそうなんだと学べていました。
しかし僕が大人になったせいか、
何でこのヒゲオヤジはこんなに偉そうなの?と不愉快に感じてしまいました。
作者の言いたいことを架空のキャラクターに代弁させている感が強いです。
あと、女教師の井野先生もイラつく要因でした。
余計な仕事を増やしたくないからという理由で
何かと桜木先生に否定的な意見しか言わないのは、
社会人としてはリアルだなとは思いました。
でも代替案が何もないくせに、ただ突っぱねるだけなのが不愉快でしたね。
イヤイヤ期の子供かよっていう。
俺も実際に読んでみてつまらないと感じた漫画には
ここがクソだとここぞとばかりにブッ叩いてますが、
もっとこういう展開なら良かったとか改善策ぐらいは出すべきかなと思いました。
(叩くのをやめるとは言ってない)
文字通り、反面教師として参考にせねば。
✕ 秋以降の後半が駆け足で、オチもあっさり
高校3年4月頃に東大模試がE判定でボロボロなのは分かるけど、
それ以降に模試を受けてだんだん成績が上がっている描写があまりなし。
偏差値が50ぐらいから始まり、
55→60→65と徐々に上がっていくのかと思っていたので肩透かしを食らいました。
漫画で毎月受けてる東大模試の結果を
いちいち描写するのも手間なのは分かるけど、
終盤は徐々にレベルアップした感があんまりわからなかったです。
最終的に龍山高校の東大を受けた名前のついた子たちは
イキってて性格が悪いが途中で改心した子も含めて
大体はみんな合格してたけれども、
初代の水野は受かって矢島は落ちたのに比べると
あんまりリアリティがない気がしました。
受験生である天野と早瀬の
「この1年間は死ぬほど勉強したよね。
3年生になった頃はまさか東大を受験してしかも合格するなんて思ってなかったけど、
人間死ぬ気になってやればできるんだ。」
的な、振り返りのエピローグの1話もなく。
巻数も初代は21巻に対して、ドラゴン桜2は17巻で終了。
最終話もみんな合格したよ!→よし、これで進学実績が作れてめでたし!で終わり。
冒頭の感想の繰り返しにはなりますが、
作画・話ともに「全部があっさりしている」というのがこの漫画の印象でした。
まとめ 金こそすべて&僕は初代のほうが好きでした
学生からしたら勉強のノウハウ本であると同時に、
大人視点では教育をネタにしたビジネス漫画なのかなと思いました。
若い頃は学生視点で単純にこれなら覚えやすそう!とか
いやこれって無理じゃね?みたいな賛否両論を出しながら読む印象でしたが、
大人になると学校経営とか教える側の立場など
そういう視点でもまた読める漫画でしたね。
大人になると今までとはまた違った見方もできて良かったです。
この漫画では一貫して教育の綺麗事な一般論は除外して
・子供たちに純粋に何かを教えたい、広めたい
・それまで知らなかったことを知るのは楽しい
・勉強して問題が解けるようになると楽しいんだよ
みたいなことを伝えるのではなく、
あくまで教育=お金を稼ぐための方法と割り切っている印象でした。
偉そうな顔して人に講釈垂れる桜木先生も
結局は自分の利益や金のために動いているというのが見て取れます。
どこかで聞いた話で、
「あなたのためって言う奴は、大体自分の利益のために言ってる」ってのを実感しました。
なお前作はどんな感じだったっけ?ということで
この記事を書くために初代も改めて全部読み直しましたが、
やっぱり大学受験という同じテーマを扱うためか
面白さは初代の方が上かなと思いました。
2番煎じになると、どうしても初めて見る新鮮さや衝撃には劣りますからね。